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2025.08.28

COLUMN

BIM活用で業務はどう変わる?導入の進め方と成功のポイントを徹底解説

BIM活用で業務はどう変わる?導入の進め方と成功のポイントを徹底解説

― 作図作業からチームの働き方まで、BIMがもたらす変化とは ―

建築業界ではここ数年、「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」という言葉が急速に広がりつつあります。

しかし、「本当に業務が良くなるの?」「手間が増えるだけじゃないの?」と、まだ半信半疑の声も多いのが実情です。

BIMは単なる3D設計ツールではなく、設計・施工・維持管理までを3Dモデルで一元管理できる革新的な仕組みです。

この記事では、BIMを活用することで業務がどのように変わるのか実務視点での“ビフォー・アフター”や、失敗しないBIM導入手順、活用のポイントをわかりやすく解説します。

BIM活用で業務改善!導入前後の変化を比較

BIMは、従来の業務フローを根本から見直すきっかけになります。ここでは、導入前後の“ビフォー・アフター”を具体的に見ていきましょう。

1|図面作業が「手作業」から「自動・連動」へ

▶ 従来のやり方

平面図・立面図・断面図を個別に作成・管理
修正のたびに複数の図面を手動で修正
・修正漏れやミスが発生しやすい

▶ BIMの活用後

・3Dモデルから図面を自動生成
・1つのモデルを修正すれば、全ての図面に自動反映
・図面間の整合性が保たれ、チェック負担を軽減

→ 作業時間を短縮しながら、図面の信頼性を高めます。

2|情報共有が「属人的」から「チームで見える化」へ

▶ 従来のやり方

設計意図や打合せ内容が担当者のメモや記憶に依存
「どこにその情報がある?」「前回の変更理由は?といった確認が頻発

▶ BIMの活用後

・建物情報や変更履歴をモデルに一元化
・誰でも最新情報を同じ場所で確認可能
・引き継ぎや社内外の協業がスムーズに

→ 情報を個人の中ではなく、チーム全体の資産として活用します。

3|設計検討が「勘と経験」から「見える・試せる」へ

▶ 従来のやり方

平面図や2Dパースだけでは、空間のイメージが伝わりづらい
干渉や納まりの問題に気づくのは、現場や詳細設計の段階

▶ BIMの活用後

・3Dで設計意図や空間スケールを即時に共有
・早い段階での干渉チェック・納まり検討が可能
・パースや断面もリアルタイムに生成できる

→ 合意形成を早め、設計の質を向上させます。

4|プロジェクトの進め方が「場当たり」から「予測・準備型」へ

▶ 従来のやり方

後工程でのトラブルや手戻りが多く、計画が崩れがち
各フェーズで情報が断絶し、再入力や確認の手間が発生

▶ BIMの活用後

・設計・積算・施工・維持管理まで情報をつなげられる
・工程・コストの見える化も可能(4D・5D BIM)
・「プロジェクト全体を見通す」マネジメントが実現

→ 単なる作図ツールではなく、プロジェクトの舵取り役として機能します。

 

BIMは、図面を3D化するだけのソフトではありません。
建築に関わるすべての人が、同じ情報を共有しながら協力し、前に進むための「共通言語」です。

効率化だけでなく、設計の精度を高め、チームの働き方を変え、将来の資産としてデータを活かす。そんな長期的な価値をもたらします。
BIMを「導入して終わり」にせず、業務全体を変革する力として活かすことが重要です。

 

BIM活用の進め方

― 小さく始めて、チームに広げる。BIMを“使いこなす”ための実践ステップ ―

BIMを導入して成果を上げるには、段階的な取り組みが効果的です。以下の5つのステップで進めることで、無理なく社内定着を図れます。

STEP 1|まずは「目的」をはっきりさせる

「なぜBIMを導入するのか」をはっきりさせることが第一歩。手戻りを減らすのか、情報共有を改善するのか、将来的にFM活用を見据えるのか。目的が明確になると、必要な機能や運用方針も定まります。

・設計ミスや手戻りを減らしたい
・チーム内の情報共有を効率化したい
・将来的にFM(維持管理)まで活用したい
・属人化した業務を改善したい

STEP 2|小さなプロジェクトから試す

全社導入を一気に目指すより、小規模案件や社内演習から始める方が定着しやすい。実際にモデル作成や打合せで使い、効果を社内で共有します。

・社内モデルプロジェクトでの試験導入
・設計演習での検証
・小規模案件での部分的活用

STEP 3|使う人・チームを増やす

成功事例を他部署に展開し、BIM人材を社内で増やしていきます。「BIMが分かる人」ではなく「BIMを使えるチーム」を育てることがポイントです。

・テンプレートや操作マニュアルの整備
・社内勉強会の実施
・外部サポートの活用

STEP 4|業務フロー全体に組み込む

設計から施工、協力会社との連携、引き渡し後の維持管理まで、BIMを活用する範囲を拡大します。複数部門や外部パートナーとのデータ共有ルールも整備します。

・設計〜積算〜施工への情報連携
・協力会社とのモデル共有
・完成後の維持管理データ化

STEP 5|BIMを“会社の資産”として活用する

過去のモデルや検討履歴を蓄積・再利用し、提案力や教育、品質向上に役立てます。「使って終わり」にせず、長期的な経営資産として活かしましょう。

・過去モデルの再利用
・設計検討履歴の教育活用
・提案力・経営判断の強化

BIMは、ただ使い始めただけでは成果は出ません。重要なのは、目的を持って、段階的に、社内の力として育てていくことです。

BIM活用を成功させるための注意点

1|「ツール導入」で終わらせない

BIMは業務の進め方や情報の扱い方を変える仕組みです。
運用ルールや連携方法まで見直すことで、初めて本来の効果を発揮します。

2|「できる人だけが使う」状態にしない

知識を一部の担当者に集中させると、退職や異動でノウハウが失われます。
チーム全体が使える環境を整えることが不可欠です。

3|完璧主義で始めない

準備に時間をかけすぎると、導入が遅れます。
まずは小規模な案件から始め、実践を通して改善していく方が現実的です。

4|社内だけで閉じない

協力会社や他部門とデータ連携できる運用を意識します。
ファイル形式や情報構成の標準化(IFC活用など)が将来の展開力につながります。

5|「使って終わり」にしない

BIMデータはプロジェクト終了後も資産として活用可能です。
過去モデルを再利用し、維持管理やFMにも活かしましょう。

 

BIM成功の鍵は「仕組みと文化づくり」です。技術だけでなく、社内外を巻き込む運用体制を構築しましょう。

BIM活用に踏み出すなら、まずは“相談”から

― 課題も迷いも、そのままで大丈夫です。ixreaが一緒に考えます ―

「BIMって何ができるのか正直分からない」
「ソフトはあるが活用できていない」
「導入したが社内に広がらない」
「この先、BIM対応案件が増えそうで不安」

こうしたお悩みを持つ企業からのご相談がほとんどです。
ixreaのBIM支援は、単なる操作指導やモデリング代行ではありません。

今の業務をどう見直せばBIMが効果を発揮するのか、チームをどう育てるのか、限られたリソースでも成果を出す方法はあるのか。こうした実務に即した“戦略的サポート”を行い、定着・活用まで伴走します。

よくあるご相談例
● 段階的なBIM導入の進め方
● 自社に合ったテンプレートやルール整備
● 社内研修の実施
● 単発案件でのBIMモデリング支援

初回のご相談や簡易ヒアリングは無料です。現在の業務フローや課題を伺い、BIM導入の方向性や最適な支援内容をご提案します。「何を聞けばいいか分からない」という状態でも大丈夫です。迷っている今こそ行動のチャンスです。

今のやり方を少し変えるだけで、BIMはあなたの現場を劇的に変えます。
BIMの第一歩、私たちが一緒に並走します。

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