WORKS&TOPICS
WORKS&TOPICS
2025.09.22
NEWS DAILY
建築士会全国大会 おおさか大会に参加して ― 青年委員長としての活動報告

1. 全国大会おおさか大会を終えて
2025年9月19日、建築士会全国大会「おおさか大会」が盛大に開催されました。全国各地から多くの建築士が集まり、建築を通じた社会貢献や地域づくり、そして次世代への継承について活発な議論が行われました。
例年は10月に開催されてますが、今回は大阪関西万博の開催に合わせて9月の開催となりました。
ixrea代表の吉田は、現在(公社)日本建築士会連合会 青年委員会の委員長を拝命しています。
青年委員会では2つの重要なプログラム、「全国建築士フォーラム」と「青年委員会セッションー地域実践活動発表ー」を担当しました。本記事ではその活動報告を通じて、建築士会の取り組みや今後の方向性をご紹介します。
「建築士会とは?」

「建築士会とは何をしているの?」と思われる方も多いかもしれません。建築士会は、全国の建築士が地域や社会に貢献するために活動している団体です。各地で技術講習会や子ども向け建築イベント、まちづくり支援などを行っており、今回の全国大会はその成果を共有する大切な場でもあります。
2. 全国建築士フォーラム ― 「建築と人、建築と街」

大会前日に行われた第14回全国建築士フォーラム in おおさかのテーマは、
「建築と人、建築と街 ~大阪のまちを歩き、未来を語る~」でした 。
講演会
フォーラムの冒頭では、建築史家 倉方俊輔先生の講演が行われました。大阪の街並みの成り立ちや、建築が人や地域とどのように関わってきたのかを歴史的視点から解説いただき、街歩きの前に大きな学びを得る時間となりました。

フィールドワーク
講演の後は、参加者が3つのエリアに分かれて街歩きを実施。
・北エリア(梅田周辺):現代建築を中心に、再開発の進む都市の姿を体感
・中之島エリア:近代と現代が融合する都市空間を探索
・淀屋橋・肥後橋エリア:歴史ある近代建築を中心に街の魅力を再発見

倉方先生が現地でスポット解説を行い、写真や図面では得られないリアルな視点から学ぶことができました。
意見交換会
最後は参加者同士で意見交換会を実施。街歩きの写真や気づきを共有し合い、「他の人の視点から新たな発見があった」「まちを見る目が変わった」という声が多く寄せられました。
このフォーラムは、「歩いて、見て、感じて、語り合う」体験を通じて、建築士としての視野を広げる貴重な場となりました。
意見交換会で用意した余興が若干すべり気味だったのはご愛敬


3. 青年セッション ― 地域実践活動の共有
大会当日に行われた青年委員会セッションは、全国の青年建築士による地域実践活動発表会です。
47都道府県の中から全国7ブロックの代表が選ばれ、 一同に介して活動報告を行うセッションです。

発表事例の一部
・栃木県(関東甲信越ブロック):「みやJOY2025~けんせつ博~」
親子で建築体験ができるイベントで、来場者は延べ2万2千人以上。建築や建設業の魅力を伝える大規模企画。
・秋田県(東北ブロック):「まちの暮らしと建築士」
商店街イベント「のしろいち」でタイニーハウスを活用し、子どもたちに建築体験を提供。
・北海道ブロック:「Let’s 防災~継続は知識なり~」
火山災害の歴史を学びながら防災マップ作成やDIG訓練を実施し、防災意識を高める活動。
・福井県(東海北陸ブロック):「建築士が目指す地域のかたち」
山と街をつなぐ取り組みとして、福井県産材の利活用やシンポジウムを展開。
・香川県(中四国ブロック):「地域に根差した建築を愛される建築へ」
公共建築「瀬戸内海歴史民俗資料館」の魅力発信プロジェクトを展開。
・奈良県(近畿ブロック):「FUN木FES CAMP festival2024」
木材利用や植樹をテーマに、キャンプとマルシェを組み合わせた交流型イベント。
・福岡県(九州ブロック):「未来の建築士の種を蒔く」
子どもたちと木工ワークショップを行い、未来の建築士育成につなげる活動。
審査と表彰
審査員が3名。審査員の採点と来場者の投票により、最優秀賞・優秀賞が選出されました。
さらに今年は「活動を自分の地域に持ち帰りたい」と思わせる取り組みを評価するブロックコーディネーター賞も新設され、活動の全国的な波及を意識した仕組みとなりました 。
このセッションを通じて、全国各地での多彩な実践活動を知り、「自分の地域でも取り組んでみたい」という声が多く聞かれたことは大きな成果でした。



4. 今後の建築士会活動と展望
全国大会を通じて見えたのは、建築士の役割が設計や施工などの専門職にとどまらず、地域社会の未来づくりに広がっているということです。
青年委員会としては、以下の重点活動を進めていきます。
- デジタル技術・BIMの普及促進
- 地域課題解決への参画
- 全国ネットワークの強化と情報交換の活性化
5. まとめ ― 次世代へとつなぐ大会に

今回の「全国大会おおさか大会」は、私自身にとっても大きな節目となりました。
青年委員長としての責任を果たしながら、全国の仲間と共に未来を語り合えたことは大きな財産です。
建築士会の活動は、建築士だけでなく地域住民、学生、行政、企業ともつながりを広げることができます。
みなさんの地元の建築士の地域での活動にも、ぜひご注目ください!
公益社団法人日本建築士会連合会
各都道府県 建築士会はコチラからcheck!