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2021.11.22

COLUMN

【月曜連載企画】設計事務所の仕事のススメ方③

【月曜連載企画】設計事務所の仕事のススメ方③

九州も先週は20℃超える日がありましたが、

今週からは徐々に寒くなりそうですね〜

 

BIMを主力に、オフィスや障がい者施設、介護施設、保育園、店舗など様々な用途の施設設計を、

鹿児島、福岡、東京など全国のエリアで活動している設計事務所、ixreaです!

 

さてさて、「設計事務所の仕事のススメ方」の③、

「費用ってお高いんですよね・・・」

をお伝えしますー

 

設計事務所の報酬には基準がある

一定の規模以上の建築物の設計・工事監理は、

建築士法において建築士の「独占業務」となっています!

つまり、建築士の資格を持たなければ、報酬を貰って業として行ってはいけないということです。

 

設計・工事監理の契約内容は、個別の物件に応じて決まってきますが、

とはいっても建築士の業務内容はかなり専門的になります。

用語も難しい言葉も出てきます。

 

普通の人なら、建築士の具体的な業務内容や、金額が妥当かどうかなんて

なかなか分かりませんよね。

 

そこで、所管庁である国土交通省が業務報酬基準というものを定めています!

これなら、とても高額な設計料を請求されても、

「基準でいけばこの程度でしょ??」と言えます。

法外な金額を言われなくてもすむので一安心〜

 

と思いきや、、、

国交省の資料を見ると「業務報酬基準の正確」というこうもくに

「過度のコスト縮減などにより著しく低い報酬額で契約せざるを得ないケースもある」

と記載が。

 

高いだけではなく、低すぎる場合も「業務の質が低下する恐れがある」ということのようです。

 

つまり業務報酬基準は、上限でも下限でもなく、

安すぎず、高すぎず、

建築士の業務内容に応じた適切な報酬金額の基準ということです。

とはいえ、標準報酬基準の算出も難しい・・

例えば、設計事務所から出てきた見積書の金額が、業務報酬基準と照らし合わせて

高すぎないか、安すぎないかを確認しようとしても、

なかなか算出するのも難しいです(^^;)

 

業務報酬基準での設計等の業務報酬の算定方法は、

「実質加算方法」と「略算方法」の二つが規定されています。

 

実質加算方式は、

標準業務だけでなく追加的な業務等も含んだ業務を対象に、

直接人件費、特別経費、直接経費、間接経費及び技術料等経費

及び消費税に相当する額を個別に積み上げて合算する方法。

 

略算方式は、

標準業務を対象に、直接人件費を略算表から算出し、

これを元に、直接経費と間接経費の合計額を算出する方法。

(特別経費と技術料等経費は個別に算出して合算)

 

となっています。

 

詳しい内容は国交省のHPから↓

かわかりにくいですね〜

 

それだけ建築士の業務が複雑で多岐にわたるということです。

 

新築だけでなく、増築や改築、用途変更もあります。

建物の規模や用途によって難易度も変わります。

 

手続きも、確認申請だけでなく、

他法令や条例に基づく許可&届出も増えてきています。

 

これらを纏め一つの基準をというのは、なかなか難しいようです。

金額はどう見極めればいいのか?

標準報酬基準の算定方法とは異なる方式で

設計費用を算出している設計事務所が多いと思います。

 

多いのは、

総工事費の○%とか、

床面積の㎡当たり○円とか、

かかる人工×○円とかですね。

 

もし設計事務所の見積書の金額について、妥当性を確認したいのであれば、

①標準報酬基準で算定した場合の金額を聞いてみる

②他の設計事務所に同じ内容で見積もりを取ってみる

の二つでしょうか。

 

標準報酬基準でも算定してもらえば、

それに対して高すぎないor安すぎないがわかります。

また、同じ内容で他の設計事務所だといくらなのかも、

比較してみるのも妥当性がわかりやすいかと思います。

金額だけでなく、提案内容と含めて判断を

難しいのは「設計の価値=何で判断?」ということです!

 

例えば法的な手続きだけを見れば、

恐らくどの設計事務所でも成果としてはほぼ変わらないでしょう。

 

でも設計内容はどうでしょうか?

設計事務所によってデザインも機能性も全く異なります。

それによって、建物の価値は大きく変わります。

自分が実現したいことが、ちゃんと実現できるかどうかも、

設計事務所によって大きく変わると思います。

 

設計費用、高いように見えますが、

工事費全体、ランニングコスト全体から見たら

それほど高い割合ではありません。

 

ですが、設計事務所の能力によって、

完成する建物の質や、かかるランニングコストは全く変わります。

極端に言えば、ランニングコストや建物の価値で設計料分はすぐペイできるくらいの違いが出ます。

 

設計はあくまでも建物を作るための手段ですので、

まずは設計事務所の提案内容を見極めて、

その次に妥当な金額であるかを確認することお勧めします(^^)/



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